【4つの注意点】2025年度のDR補助金を徹底解説
2025.06.08

家庭用蓄電池を安く買うためのDR補助金について、注意点がなになのか知りたくありませんか?
2025年のDR補助金は例年と比べて、少し内容が変わっております。
✅本記事の内容
- DR補助金とは?
- DR補助金の種類
- DR補助金の条件
- DR補助金を申請する上での注意点
- DR補助金を有効活用しよう
✅本記事の信頼性
・現役の某太陽電池メーカーの営業マン「スポンジ」が監修(営業キャリア10年以上)
・営業実績は、住宅用太陽光発電200棟/月を販売継続(3年以上)
本記事では、2025年のDR補助金の概要や種類、注意事項をお伝えします。
2025年のDR補助金で失敗せずに、さらに一歩進んだお得な使い方ができるようになります。
DR補助金とは
「最近DR補助金って聞くけど、正直よくわからない…」という方も多いのではないでしょうか。
DR補助金とは、電力の使い方を賢くコントロールすることで、国や自治体から支援が受けられる制度です。
特に電力使用量の多いオール電化住宅では、この制度を上手に活用することで、蓄電池や太陽光発電の導入コストを抑えられるチャンスになります。
今注目されているこの制度、実は“デマンドレスポンス”という仕組みを前提としているのですが、ここからはその基本をわかりやすく解説していきます。
DR(デマンドレスポンス)の仕組み
DR(デマンドレスポンス)は、電力需給が逼迫したときに、需要側(家庭や企業)が電力の使用を抑制したり、蓄電池から放電したりすることで電力バランスを保つ仕組みです。
これを実現するためには、蓄電池やHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)の導入が前提になります。
参加することで、インセンティブ(補助金やポイント)がもらえるのが大きな魅力です。
つまり、電力会社と協力して“電力のピークカット”に貢献することで、家庭にもメリットが返ってくる仕組みです。
電力需給バランスにおけるDRの役割
日本の電力は、災害や猛暑などの影響で“需給バランス”が乱れることがあります。
DRは、こうしたタイミングで電力会社の指示に応じて使用量をコントロールすることで、ブラックアウト(大規模停電)などを防ぐ重要な役割を担っています。
従来は電力供給側だけでバランスをとっていましたが、今では需要側も参加して“みんなで電力を守る”仕組みに変わってきています。
特に再生可能エネルギーの導入が進む今、DRの重要性はますます高まっているのです。
補助金制度の背景と目的
DR補助金の背景には、「電力の安定供給」と「再生可能エネルギーの普及促進」という2つの目的があります。
近年、再エネの比率が増えたことで、天候による電力変動も大きくなり、安定供給の難易度が上がっています。
そこで、蓄電池などの設備を導入した家庭がDRに参加することで、ピーク時の電力を緩和し、全体の需給バランスを保つという仕組みが注目されているのです。
この制度を使えば、設備費用の負担を軽減できるだけでなく、地球環境にもやさしい選択になります。
DR補助金の種類
DR補助金には、大きく分けて「小売型」と「アグリ型」の2種類があります。
それぞれの特徴を理解しておくことで、自分の家庭にあった活用方法が見つかりやすくなります。
小売型は、電力契約を新電力会社に切り替えることで受けられるもので、契約先によって金額や内容は異なります。
一方、アグリ型は蓄電池の導入に対して支給される補助金で、こちらの方が金額面では大きな支援が受けられる傾向があります。
小売型
小売型のDR補助金は、家庭が新電力会社(小売電気事業者)と契約を結ぶことで受けられるタイプの補助金です。
基本的には、契約した電力会社のDRプログラムに参加することで、一定のポイントやキャッシュバックがもらえる仕組みになっています。
参加条件は電力会社によって異なり、電力使用量や設備の条件が定められている場合もあります。
手軽に始められる反面、蓄電池などの設備導入が不要なこともあるため、補助金額は比較的少額になる傾向です。
「とりあえずDRを試してみたい」という方には向いている制度と言えるでしょう。
アグリ型
アグリ型のDR補助金は、主に蓄電池の導入に対して支給される補助金制度です。
こちらはSII(環境共創イニシアチブ)を通じて運用されており、国の補助金として広く活用されています。
特徴は、設備費用に対して数十万円規模の支援が受けられる点です。
さらに、DRプログラムに対応した蓄電池であることや、一定の性能基準を満たすことが条件になります。
申請には設備の仕様確認や販売店との連携が必要で、事前にしっかり準備を進めておくことが重要です。
次章では、このアグリ型の詳細について掘り下げていきます。
アグリ型DR補助金の概要
アグリ型DR補助金は、DRプログラムへの参加を前提に、蓄電池を導入する家庭を対象とした補助金制度です。
まず、対象となる蓄電池はSIIが指定する認定製品であり、遠隔操作やDRへの対応機能を持っている必要があります。
また、設置を行う事業者(販売店)もSIIに登録されていることが求められます。
さらに、DRサービスの提供を行うアグリゲーターと契約を結び、一定期間そのサービスを利用することが補助金受給の前提条件となっています。
蓄電池は目標価格(135,000円/kWh)以下で販売が必要だったり、補助対象外の工事費用があります。
導入前に見積書を詳細に確認し、補助金の対象範囲を明確にしておくことが重要です。
補助金の内容は、設備費用の一部(上限あり)を支援してくれる形で、導入コストを大きく抑えられるのが魅力です。
ここからは、補助金の金額、申請の流れ、申請資格について詳しく紹介していきます。
補助金額
アグリ型DR補助金では、蓄電池の容量に応じて、1台あたり数万円~十数万円の補助金が支給されます。
たとえば、5kWhクラスの家庭用蓄電池であれば約15万円、10kWhクラスの大型タイプであれば最大35万円前後の補助が見込まれます。
ただし、補助対象となるのはSIIの登録製品のみで、性能要件(放電出力、通信機能など)を満たす必要があります。
また、補助増額の項目もあります。
- ラベル 1,000円/kWh
- 類焼性 5,000円/kWh
- レジリエンス 1,000円/kWh
- 廃棄物処理法上の広域認定取得 1,000円/kWh
上記はいずれも、初期実効容量に対して増額される補助金になります。
蓄電池の選定によって補助額が大きく変わるため、事前に対象機種かどうかをチェックしておくのがポイントです。
申請の流れ
申請の流れは、まず販売店と契約した後に、SIIのウェブサイトで交付申請を行う形になります。
申請書の作成、必要書類(見積書、仕様書、設置図など)の準備を行い、締切までに提出するのが基本です。
その後、審査結果が通知され、補助金交付決定が出れば、工事を進めることができます。
工事完了後には実績報告が必要で、設置状況や稼働状況を示す資料の提出が求められます。
タイミングを逃すと補助金が受けられなくなるため、スケジュール管理と早めの準備が肝心です。
申請資格
DR補助金の申請資格は、日本国内に居住する個人または法人であることが基本条件です。
また、同一人物や世帯が過去に同じ補助金を受け取っていないこと、税金や公共料金の未納がないことなども審査項目に含まれます。
補助金の申請には、多くの書類が必要となるため、あらかじめ必要な準備を進め、信頼できる施工業者と連携して申請手続きを進めることがスムーズな受給のポイントです。
アグリ型の補助金を申請するには、以下の条件を満たす必要があります。
- SIIが定める登録製品の蓄電池を使用すること
- DRプログラムに参加することが条件になっていること
- 所定の申請書類を提出し、スケジュール通りに手続きを行うこと
- 電力会社との連系が完了している、または完了予定であること
特に「連系の完了」が前提となるため、太陽光発電と併用する場合は、事業計画認定など他の申請スケジュールにも注意が必要です。
DR補助金を申請する上での注意点
DR補助金はとてもお得な制度ですが、いくつか注意点もあります。
まずは申請の“タイミング”です。
補助金には年度ごとの予算があるため、募集が始まってすぐに締め切られてしまうこともあります。
また、書類の不備による審査の遅延や不交付もよくあるトラブルです。
さらに、今年度の補助金では「電力会社との連系」が新たな条件として追加されています。
つまり、太陽光発電を同時に導入する場合は、連系完了までを逆算してスケジュールを組まないと、補助金がもらえないことになります。
また、補助金ありきで高額なシステムを勧められるケースもあるので、必ず費用対効果を確認しましょう。
申請タイミング
補助金申請は“早い者勝ち”の側面があります。
DR補助金は原則として「着工前に申請・交付決定を受ける」ことが必須になります。
1月~3月に蓄電池の契約予定だったお客様がDR補助金活用を見越して大量に控えていることも多く、例年申請が5月6月に殺到してます。
そのため、できれば4~6月のうちに動き始めるのがベストです。
書類不備による遅延
補助金申請において多いトラブルが「書類の不備」です。
見積書の記載漏れや図面の添付ミス、型番の間違いなど、ちょっとしたミスが審査の遅れや不交付の原因になります。
とくに、自治体や国が指定している書類テンプレートを使わずに提出すると、差し戻されることもあります。
販売店や施工業者にサポートしてもらう場合でも、必ず自分でも内容を確認し、ミスがないようチェックする習慣をつけましょう。
電力会社との連系が条件
2025年度のDR補助金では、「電力会社との連系」が明確に補助要件に加えられました。
つまり、蓄電池を設置するだけでなく、その設備が系統連系できる状態にあることが前提条件になります。
太陽光発電とセットで導入する場合、FIT制度の事業計画認定が必要となることも多く、電力申請と事業計画認定で3~4ヶ月かかる場合があります。
特に2025年度は、連系完了が遅れると補助金がもらえなくなる可能性が高いため、遅くても7月頃までに電力申請を終えるスケジュールで動くのが安心です。
補助金ありきの高額システム
「補助金がもらえるから」と勧められるままに高額な蓄電池を契約するのは、少し待ってください。
補助金が出る前提でシステム価格を高く設定しているケースもあり、実質的な負担が想像以上に大きくなる可能性もあります。
また、補助金を差し引いても費用対効果が合わない機器もあるため、導入前に必ず「何年で元が取れるか(投資回収)」をシミュレーションしておきましょう。
参考に、蓄電池の相場価格や蓄電池でどれくらい電気代が節約できるのかを纏めた「蓄電池で電気代はどれくらい節約できるのか」をのぞいてみてください。
販売店の提案内容が妥当かどうかを見極めるためにも、複数の業者に見積もりをとることもおすすめします。
DR補助金での具体的な蓄電池補助金額
実際に補助対象となる蓄電池の一例を紹介します。
どれくらいの補助金がもらえるのか蓄電池の機種ごとに確認してみてください。
今回、紹介した蓄電池以外でもDR補助金の対象となっている蓄電池は多くあります。
どの蓄電池がDR補助金の対象になっているか確認したい方は、「令和6年度補正DR家庭用蓄電池事業 補助対象蓄電システム検索」で確認してみてください。
蓄電池の性能や価格帯によって補助金額も異なりますので、SIIの公式リストで最新情報を確認しながら選ぶと安心です。
自分の家庭に合った容量やスペックを見極めて選ぶことが、賢い補助金活用の第一歩になります。
DR補助金を有効活用しよう!
DR補助金は、蓄電池や太陽光発電をより導入しやすくする心強い制度です。
DR補助金のデメリットとして、電力の需給バランスが崩れそうなときに蓄電池の充放電をコントロールされることがあります。
ただ、1年間に数回あるかないかの頻度であることと、DR補助金で蓄電池をコントロールされる期間は2027年度までとなっております。
蓄電池を購入される方は、DR補助金を活用して数万円~数十万円の補助金を活用しましょう。
ただし、申請の流れや補助対象機器、タイミングなどに注意が必要です。
DRの仕組みを正しく理解し、自分に合った補助金の種類を見極めながら活用すれば、賢くエネルギーコストを下げることができます。
この記事を参考に、まずは施工業者や自治体の情報をチェックし、導入への第一歩を踏み出してみてください。