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【完全版】太陽光パネルの廃棄方法は?費用や注意点を徹底解説!

2025.02.10

太陽光パネルの廃棄

電気代の高騰や災害対策のために、太陽光パネルを設置する方が増えています。

 

もし故障したり不要になった場合、太陽光パネルはどうやって廃棄するのか?費用はかかるのか?疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

 

✅本記事の内容

  • 太陽光パネルはどうやって廃棄するの?
  • 太陽光パネルを廃棄する前に検討しよう
  • 太陽光パネルの3つの廃棄方法
  • 太陽光パネルの廃棄費用
  • 太陽光パネルの廃棄時に注意したい4つのポイント
  • 太陽光パネルは正しく廃棄しよう

 

✅本記事の信頼性

・現役の某太陽電池メーカーの営業マン「スポンジ」が監修(営業キャリア10年以上)

・営業実績は、住宅用太陽光発電を200棟/月を販売継続(3年以上)

 

本記事では太陽光パネルの廃棄方法や廃棄費用、注意点を詳しく解説します。

 

太陽光パネルの廃棄方法や廃棄費用について、そもそも廃棄すべきなのかが理解できるようになります。

 

太陽光パネルはどうやって廃棄するの?

太陽光パネルの廃棄はどうやるのか?

 

まず、太陽光パネルはどうやって廃棄するのかお伝えします。

 

一般的には、太陽光パネルは産業廃棄物に分類されます。

 

一般ごみとして自治体などでは回収してもらえないため、専門業者に依頼をする必要があります。

 

下記の絵は、太陽光パネルを撤去から運搬、リサイクル(廃棄)までの流れです。

 

どのような理由で太陽光パネルを廃棄するのかによって、廃棄撤去する業者は異なってきます。

 

 

太陽電池の廃棄及びリサイクルの流れ

引用:東京都環境局の資料より

 

また、太陽光パネルは電気機器でかつ屋根に設置している場合がほとんどです。

 

つまり、電気遮断などの専門的な技術が必要で足場を建てて太陽光パネルを撤去する必要があります。

 

太陽光パネル撤去前に、電力会社に太陽光発電を撤去するための解約手続きを行っておくことが前提条件です。

 

屋根からの落下や感電などの事故を防ぐためにも専門業者に依頼し、正しく撤去・廃棄しなければいけません。

 

太陽光パネルを廃棄する前に検討しよう

太陽光パネルを廃棄する前に考えるべきこと

 

つぎに、太陽光パネルはそもそも撤去すべきかどうかを見ていきましょう。

 

FIT制度での買取期間が満了になり太陽光パネルの廃棄を考える方もいますが、太陽光発電には売電収入を得るほかにもメリットがあります。

 

  • 自家消費して電気代を節約できる
  • 非常用電源として備えておく

 

太陽光パネルを廃棄する前に、一度検討してみることをオススメします。

 

1.自家消費して電気代を節約できる

 

化石燃料費の高騰や再エネ賦課金の値上げで、電気代は年々引き上げられています。

 

しかし太陽光パネルを設置していれば、発電した電気を家庭で使うことができるため電力会社からの高い電気を買わなくて済むので節約に繋がります。

 

 

4人家族の平均的な1年間の電気使用量は、電気ガス併用の家庭では4,800kWhで、オール電化の家庭では7,200kWhになります。

 

太陽光発電の設置容量1kWあたり年間で約1,100kWh発電されるため、たとえ2~3kW程度の太陽光発電でも節電効果があるということです。

 

また、今後も電気代は値上げになると予想されているため、太陽光発電の価値は今よりも高まっていきます。

 

FITによる売電が終わったとしても、電気代の高騰により売電よりも節電する方が太陽光発電の経済的な恩恵を受けやすい時代になったということになります。

 

電気代の値上げと売電単価の下落

 

FIT期間の満了という理由で、太陽光パネルを撤去してしまうのはもったいないです。

 

2.非常用電源として備えておく

 

日本は地震や台風などの災害が多い国です。

 

災害時に停電してしまっても、太陽が出て入れば太陽光パネルで発電するため、パワーコンディショナーを自立運転に切り替えることで最大1,500Wの電気を使うことができます。

 

また、蓄電池を導入すれば太陽の出ていない夜間でも電気を使うことができるため、普段通りの生活を送ることが可能です。

 

防災対策として、太陽光発電を持っているか持っていないかでは心のゆとりにも影響が出ますので、太陽光発電を廃棄せずに持っておくことをオススメします。

 

太陽光パネルの3つの廃棄方法

太陽光パネルの3つの廃棄方法

 

では、太陽光パネルの3つの廃棄方法について解説します。

 

循環型社会形成推進基本法に基づき、太陽光パネルの廃棄についても優先順位が定められています。

 

  • リユース
  • リサイクル
  • 埋立処分

 

リユースやリサイクルすることが今後は求められていますが、これまでは埋立処分が一般的でした。

 

理由は、埋立処分が一番コストがかからなかったためです。

 

太陽電池の廃棄埋立からリユースリサイクルへ

引用:東京都環境局の資料より

 

リユース、リサイクル、埋立処分の方法をひとつずつ見ていきましょう。

 

1.リユース

 

撤去した太陽光パネルをそのまま、または最小限の修理を行い再利用する方法です。

 

リユースされた太陽光パネルは、具体的には国内での再利用や国外へ輸出されて使われているケースがあります。

 

環境にやさしく、資源を無駄なく有効活用できるため、推進が期待されています。

 

また、太陽光パネルを買い取ってもらえる可能性もあります。

 

ただし、比較的新しい太陽光パネルでかつ多くの枚数が必要なため、住宅用太陽光発電ではリユースは厳しいです。

 

太陽光パネルがリユースできる条件は下記の通りです。

太陽光パネルの3つの廃棄方法 リユース

 

太陽光パネルをリユースする場合、依頼する業者の選定に注意しなければいけません。

 

太陽光パネルをリユース品として扱うには、古物営業法の遵守が求められるからです。

 

古物営業法上の営業許可を得ているかどうか、確認するようにしましょう。

 

2.リサイクル

 

太陽光パネルを分解し、資源を再利用する方法です。

 

中間処理において分離や破砕、選別を経て再利用可能な素材がリサイクルされます。

 

太陽光パネルはアルミフレームやガラス、セル、EVAシートなどがリサイクル可能です。

 

太陽光パネルの6割を占めるガラスは二次加工品としての活用幅が広く、リサイクル業者によってはもっと多くの太陽光パネルのガラスがほしいと言っている業者もあります。

 

太陽光パネルの高度なリサイクルフロー

 

引用:経済産業省HPより

 

現時点でリサイクルは義務ではありませんが、経済産業省の太陽光発電設備のリサイクル制度のあり方について(案)には義務化されることが明記されています。

 

近いうちに太陽光パネルのリサイクル義務化になることは確実で、太陽光パネルのリサイクルが今後の主流になっていきます。

 

3.埋立処分

 

リユース・リサイクルできなかった太陽光パネルは、埋立処分をして廃棄します。

 

これまでは、リサイクルするよりもコストがかからないため埋立処分されていることがほとんどです。

 

産業廃棄物の最終処分場の残存容量は限られており、残存年数は全国で 17.4 年と安易に埋立処分に依存できない厳しい状況となっています。

 

2012年に始まったFIT制度により、メガソーラーを中心に2032年には大量廃棄の時代を迎えようとしており、その前に埋立処分ではなくリサイクルに誘導するのが国の狙いです。

 

リユース→リサイクルの順に優先的に行い、それでも廃棄できない太陽光パネルのみ埋立処分で廃棄することになります。

 

また、今後はリサイクルよりも廃棄する方がコストがかかるように国の方でも運用を変えていく方向性のため、必然的に埋立処分をされる方は少なくなっていきます。

 

太陽光パネルの廃棄費用

太陽光パネルの廃棄費用

 

つぎに、太陽光パネルの廃棄費用について解説します。

 

住宅用・産業用それぞれ解説するので、参考にしてみてください。

 

1.住宅用(10kW以下)

 

住宅用の太陽光パネルの廃棄には、取り外し費用・足場代・運搬費・処分費用がかかります。

 

相場は取り外し費用が6万円/kW、足場代が15万円程度です。

 

運搬費や処分費用は、距離やパネルの枚数、依頼する業者によって異なります。

 

また、屋根の修理が必要な場合は別途費用がかかります。

 

部分修理で10万円~30万円、瓦葺きする場合は100万円前後と高額です。

 

太陽光パネルの取付金具は屋根を貫通していることがほとんどのため、屋根改修も含めると100万円近くはかかってしまいます。

 

2.産業用(50kW以上)

 

50kW以上の産業用の太陽光パネルの廃棄には、一般的に1kWあたり2万円程度の費用がかかります。

 

70kWの太陽光発電の場合、140万円程度の費用がかかるということです。

 

太陽光パネルの廃棄時に注意したい4つのポイント

太陽光パネルの廃棄時に注意したい4つのポイント

 

つぎに、太陽光パネルを廃棄するときに注意すべき4つのポイントを解説します。

 

  • 費用がかかる
  • 有害物質
  • 雨漏り
  • 土地の再利用を計画する必要がある

 

それでは具体的に4つのポイントをそれぞれ説明します。

 

1.費用がかかる

 

1つ目に、費用がかかる点です。

 

住宅用と産業用太陽光発電のどちらでも太陽光パネルを廃棄するためには高額の費用がかかることがわかったと思います。

 

FIT単価は太陽光パネルの廃棄費用を考慮して設定されていますが、積み立てをされていない方がほとんどです。

 

ただ、2022年7月以降で10kw以上のFIT認定を受けた発電所では、廃棄・撤去費用を積み立てることが義務付けられるようになりました。

 

売電収入で得られた一部の金額は、万が一廃棄することになったときのために積み立てをしておきましょう。

 

 

太陽光パネルの廃棄時に注意したい4つのポイント 費用がかかる

 

また、住宅用太陽光発電で廃棄をするときは足場代など余計に費用がかかるため、本当に廃棄すべきかどうかを改めて考えるべきです。

 

40年も元気に発電し続けている太陽光パネルも出てきているため、廃棄はせずにそのまま発電を継続させることが家計を助けるためにもベストな選択になります。

 

2.有害物質

 

2つ目に、太陽光パネルには有害物質が含まれている点です。

 

太陽光パネルにはシリコン系・化合物系などの種類がありますが、化合物系の太陽光パネルには鉛・カドミウム・ヒ素・セレンなどの有害物質が含まれています。

 

有害物質は不適切な方法で処理されてしまうと、環境汚染や健康被害などの原因になります。

 

こういった被害を防ぐため、太陽光パネルは適切な処理を行う専門業者に依頼するようにしなければいけません。

 

3.雨漏り

 

3つ目に、雨漏りをする可能性がある点です。

 

住宅の屋根から太陽光パネルを撤去する場合、太陽光パネルを取り付けしていた金具まで撤去すると雨漏りしてしまいます。

 

スレートや瓦屋根に太陽光パネルを設置している場合は、金具が屋根の野地板や垂木に固定しているので金具を撤去することができません。

 

金属屋根であれば、太陽光パネルを掴み金具で設置しているので金具を撤去しても雨漏りは発生しないかもしれませんが、それでも注意が必要です。

 

太陽光パネルの廃棄時に注意したい4つのポイント 雨漏り

 

太陽光パネルを撤去する方の多くは、屋根の葺き替えや補修をされるケースです。

 

屋根の葺き替えや補修を目的とせずに太陽光パネルを撤去する場合は、太陽光パネルの金具はそのままにつけた形になります。

 

屋根の上に金具がついたままになるので、見た目も悪くなってしまうことも予め認識しておきましょう。

 

4.土地の再利用を計画する必要がある

 

4つ目に、土地の再利用を計画する必要がある点です。

 

産業用で野立てに太陽光パネルを設置していた場合、土地の用途を「雑種地」にしていることが多いです。

 

「雑種地」の名目は固定資産税が2番目に高く設定されているため、そのままにしておくと高い税金を払い続けることになってしまいます。

 

山林や畑などの地目に変更すると税金対策にもなるため、きちんと手続きを行うとともに、土地をどう有効活用するか考えるようにしましょう。

 

太陽光パネルは正しく廃棄しよう

 

太陽光パネルは正しく廃棄しよう

 

本記事では太陽光パネルの廃棄方法について費用、注意したい4つのポイントとあわせて解説しました。

 

改めて、太陽光パネルの廃棄方法について確認しておきましょう。

 

  • リユース
  • リサイクル
  • 埋立処分

 

太陽光発電システムはFIT制度の導入をきっかけに、2010年代より普及が進みました。

 

FIT期間が満了になるため、2030年代には大量に廃棄されるのではと懸念されています。

 

現状は埋立処分されていることが多いですが、国の施策で今後はリサイクルが推進されるようになります。

 

また、太陽光発電が元気に発電している限りは、太陽光発電を廃棄せずに恩恵を受け続けることも環境負荷の少ない選択肢として有効です。

 

住宅用太陽光発電が万が一発電しなくなった場合でも、太陽光ブレーカーを落として絶縁処理をして、捨てずにそのまま屋根につけたままの方もいます。

 

どうしても廃棄をすることになった際は、まずはリユース・リサイクルを検討し、環境に配慮した方法で廃棄するようにしましょう。

 

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