ポータブル蓄電池とは?5つのデメリットと4つの選び方を徹底解説
2024.06.03
目次
蓄電池にはさまざまなタイプがありますが、近年のアウトドアブームでポータブル蓄電池の需要が高まっています。
ただ、定置型蓄電池とポータブル蓄電池の違いや、どんな蓄電池が自分に合った蓄電池なのかわかりにくいですよね。
✅本記事の内容
- ポータブル蓄電池とは
- ポータブル蓄電池の5つのデメリット
- ポータブル蓄電池の3つのメリット
- ポータブル蓄電池の活用事例
- ポータブル蓄電池を選ぶときの4つのポイント
✅本記事の信頼性
・現役の某太陽電池メーカーの営業マンが監修(営業キャリア10年以上)
・営業実績は、住宅用太陽光発電を200棟/月を販売継続(2年以上)
本記事を読むことで、ポータブル蓄電池のデメリット・メリットを中心に使い方や選び方が理解できるようになります。
ポータブル蓄電池とは?
まず、ポータブル蓄電池とは何なのか見ていきましょう。
ポータブル蓄電池とは、持ち運ぶことのできる蓄電池です。
災害などの非常用電源としてはもちろん、キャンプなどのアウトドア時に使用できる電源として注目されています。
ポータブル蓄電池と定置型蓄電池との違い
ポータブル蓄電池と定置型蓄電池の一番の違いは、持ち運びができるかどうかです。
定置型蓄電池は設置場所への工事が必要で、設置後は簡単に動かすことができません。
反対にポータブル蓄電池は工事が不要なため、購入後すぐに使用ができて、好きなところへ持ち運びが可能です。
ポータブル蓄電池 | 定置型蓄電池 | |
持ち運び | 可能 | 不可 |
本体価格 | 数万円~ | 100万円~ |
設置工事 | 不要 | 必要 |
サイズ | コンパクト | 大きい |
重量 | 1.5kg~10kg | 60kg~250kg |
容量 | 200Wh~5kWh程度 | 2kWh~17kWh程度 |
太陽光発電との連携 | 製品によっては可能 | 可能 |
また、定置型蓄電池はサイズが大きい分、蓄電容量・定格出力も大きくなりますが、ポータブル蓄電池はコンパクトな分どうしても小さくなってしまいます。
ポータブル蓄電池は、定格出力によっては使えない家電も出てくるため、基本的にはスマホの充電やテレビ、ラジオなどの消費電力の小さい機器に使用することが多いです。
自宅の屋根に太陽光発電を設置して電気を貯めながら生活をされたい方は定置型蓄電池を購入し、アパートやマンションに住んでいる方やアウトドアで蓄電池を使いたい方はポータブル蓄電池を購入しましょう。
ポータブル蓄電池の5つのデメリット
ポータブル蓄電池の5つのデメリットを紹介します。
- 蓄電容量が小さいものが多い
- 充電が不可欠
- 耐水性能が低い
- 定格出力によっては使用が限定される
- 正しく使用するために知識が必要
①蓄電容量が小さいものが多い
まず1つ目に、蓄電容量が小さいものが多い点です。
持ち運びがしやすいコンパクトなサイズが多いので、蓄電容量も小さくなってしまいます。
ポータブル蓄電池の平均的な容量は2kWh前後なので、4人家族が1日に使う消費電力の約7分の1程度しかありません。
そのため、冷蔵庫やエアコンなどの消費電力の大きい家電を動かしたり、長時間の停電対策には不向きな蓄電池です。
②充電が不可欠
2つ目に充電が不可欠な点です。
ポータブル蓄電池は充電式の蓄電池のため、充電が切れてしまうと使えなくなってしまいます。
太陽光発電などの自家発電できる機器と連携していない場合、コンセントからの充電が必要です。
アウトドアでの使用時や停電時に、ポータブル蓄電池に充電されていないということがないように注意をしましょう。
③耐水性能が低い
3つ目に耐水性能が低い点です。
現在流通しているポータブル蓄電池は、多くのものに防水機能が備わっていません。
アウトドア時は雨天や水の近くでの取り扱いには注意が必要ですし、災害などで浸水してしまうと非常用電源として使用できなくなってしまうため、保管場所には気を付けるようにしましょう。
④定格出力によっては使用が限定される
4つ目に定格出力によっては使用が限定される点です。
定格出力とは安定して出力できる電力の値のことで、ポータブル蓄電池には製品ごとに定格出力が決まっています。
使用したい家電の消費電力が定格出力を超えていると使用することができません。
例えば、アウトドアで電気ポットでお湯をわかしたり、IH調理器で簡単な炒め物をする場合などは定格出力が1,500W以上のものでないと使えません。
使用したい家電の消費電力を確認し、それを上回る定格出力のポータブル蓄電池を選ぶようにしましょう。
⑤正しく使用するために知識が必要
5つ目に正しい知識が必要な点です。
ポータブル蓄電池は間違った使い方・保管をしてしまうと、発火や漏電などの事故の原因やバッテリーの劣化を進めてしまう恐れがあります。
高温多湿に弱いため、このような場所での使用・保管には注意が必要です。
製品の説明書をしっかり読んで、正しく使用するようにしましょう。
ポータブル蓄電池の3つのメリット
次にポータブル蓄電池の3つのメリットを紹介します。
- 持ち運びができる
- 購入費用が抑えられる
- 非常時の電源として使用できる
①持ち運びができる
1つ目が持ち運びができる点です。
コンパクトなサイズや重量で、持ち運びできることがポータブル蓄電池の最大のメリットです。
軽いものだと3~4kgのポータブル蓄電池もあるので、女性でも持ち運びができます。
屋内はもちろん屋外にも持ち運びできるため、キャンプなどのアウトドアでの楽しみ方の幅が広がります。
②購入費用が抑えられる
2つ目が購入費用が抑えられる点です。
定置型と比べ蓄電池本体の価格も安いほか、設置工事も不要なため初期費用を抑えて導入することができます。
定置型は蓄電池本体+工事費用で一般的に数百万円の費用がかかりますが、ポータブル蓄電池は容量にもよりますが数万円代から購入可能です。
③非常時の電源として使用できる
3つ目が、災害などの停電時に非常用の電源として使用ができる点です。
定置型と比べ容量は少ないため最低限の電力確保になりますが、持ち運び可能なため避難時に持ち出すことが可能です。
また、災害時に近隣住民にスマホ充電のためにポータブル蓄電池から電気を分けてあげることもできます。
もしもの時のために、充電が十分にされているかこまめに確認が必要です。
ポータブル蓄電池の活用事例
次にポータブル蓄電池にはどんな活用方法があるのか見ていきましょう。
①マンション・アパート住民向けの使用例
非常用電源として使用できる
メリットでも紹介しましたが、災害などの停電時に非常用の電源として使用できます。
マンションやアパートには太陽光発電や定置型蓄電池を設置することはできませんが、ポータブル蓄電池であれば、非常時の電源として備えることができます。
コンセント不足を解消
「作業したい場所からコンセントが遠い」や、家族が多いご家庭で「電源を使いたいのにコンセントが全部使われている」と困ったことのある方も多いのではないでしょうか?
延長コードを活用する方法もありますが、足をひっかけてしまう危険性やコードで床が散らかっているように見えてしまいます。
こんな時にポータブル蓄電池があれば、コンセントから遠い場所や足りない時でも家電を使うことができます。
電気代の節約
多くの電力会社が夜間は電気代が安いプランを出しています。
なのでポータブル蓄電池を電気代の安い夜に充電し、昼に貯めた電気を使用すれば、わずかではありますが電気代を節約することができます。
②アウトドアでの使用例
キャンプ、車中泊
真夏は扇風機、真冬には暖房器具が使えるので暑さ・寒さ対策ができます。
ミニ冷蔵庫で食材の管理もでき、さまざまな調理器具が使えるので料理の幅も広がります。
もちろんスマートフォンの充電も可能です。
ポータブル蓄電池があればキャンプや車中泊も快適に楽しむことができます。
野外ライブ、野外イベント
野外でのライブやイベントでは照明、マイク、アンプ、電気を使う楽器など、さまざまな機器に電気が必要となります。
ポータブル蓄電池で電気を供給すれば、問題なくイベントを運用することが可能です。
ポータブル蓄電池を選ぶときの4つのポイント
ここまでポータブル蓄電池のデメリット・メリットや活用方法をお伝えしましたが、実際にポータブル蓄電池を購入する際に確認したいポイントを解説します。
- 使用用途を明確にしておく
- 蓄電容量のみではなく重さも考慮する
- 販売元の情報をしっかりリサーチする
- 充電方法の確認をする
それぞれ1つずつ確認していきましょう。
①使用用途を明確にしておく
まず1つ目に、使用用途を明確にしておく必要があります。
蓄電池を選ぶときに蓄電容量が大きなポイントになってきますが、何を目的に使用するかで容量を決めなければいけません。
キャンプなどのアウトドアでの使用であれば200Wh~400Wh(調理する場合は1,500W以上)で十分ですが、災害時の非常用電源としての使用であれば500Wh以上の容量が理想です。
また、定格出力の確認も重要となります。
たとえば1000Wの消費電力が必要な家電を使いたい場合は、それを上回る定格出力でないと使用することができません。
下記は主な家電の消費電力の目安です。
使いたい家電の消費電力にあわせた定格出力のポータブル蓄電池を選ぶようにしましょう。
②蓄電容量のみでなく重さも考慮する
2つ目がポータブル蓄電池の重量です。
ポータブル蓄電池は一般的に1.5kg〜10kgの製品が多いですが、容量が大きくなるほど重量も重くなります。
持ち運びできることがポータブル蓄電池の最大の特長ですが、重い製品だと持ち運びづらくなり、落としてしまうと故障やけがをしてしまう恐れもあります。
ものによってはキャスター付きの製品もあるので、移動しやすい仕様になっているか、自分で持ち運びのできる重さなのか確認し、製品を選ぶようにしましょう。
③販売元の情報をしっかりリサーチする
3つ目がポータブル蓄電池の安全性です。
安全性を確認するには販売元の情報をしっかりリサーチすることが必要となります。
ポータブル蓄電池にはリチウムイオン電池が多く使用されています。
リチウムイオン電池の寿命までのサイクル回数は300回〜3000回となっております。
サイクル回数とは充電が100%の状態から0%になるまでの回数で、正しい使用・保管をすれば寿命は長くなります。
また、リチウムイオン電池は外部からの衝撃に弱く、へこんだりしてしまうとそこからショートを起こし発火してしまうことがあります。
安全性のない製品だと発火のリスクを招きますが、日本では電気用品安全法の基準を満たした証として、PSEマークをつけることが義務付けられています。
ただし、ポータブル蓄電池は海外製の安い製品も多く流通しています。
海外製だからといって粗悪品とは限りませんが、安価という理由だけで選ばず、販売元がどのようなアフターサービスを行っているか、保証書はついているのかなど確認するようにしましょう。
PSEマークは安全性のある製品かどうかを示すものとなりますので、機器選定の際に確認するようにしましょう。
④充電方法の確認をする
4つ目が充電方法の確認です。
ポータブル蓄電池はコンセントから充電する(AC充電)製品が多いですが、屋外や停電時には充電することができなくなります。
そのため、コンセント以外からの充電方法があれば、屋外や停電時にも充電して電気を確保することができます。
具体的にどのような充電方法があるか紹介します。
・AC充電
コンセントへ接続し充電する方法で、もっとも効率よく充電ができます。
コンセントに差しっぱなしはバッテリーの劣化につながるため、充電が満タンになったらすぐにコンセントから抜くようにしましょう。
・シガーソケット充電
車についているシガーソケットに接続し、エンジンをかけて充電する方法です。
コンセントからの充電とくらべ充電スピードが遅いため、フル充電には時間がかかります。
・ソーラーパネル充電
ポータブル蓄電池にソーラーパネルを接続し、太陽光を当てて充電させる方法です。
アウトドア時や停電時でも太陽が出ていれば充電できるため、ポータブル蓄電池の充電がなくなっても安心できます。
ポータブル蓄電池のデメリットを理解した上で購入しよう
本記事ではポータブル蓄電池のデメリット・メリットを中心に、活用方法や選び方を解説しました。
改めて、デメリット・メリットを確認していきましょう。
✅デメリット
- 容量が小さいものが多い
- 充電が不可欠
- 耐水性能が低い
- 定格出力によっては使用が限定される
- 正しく使用するために知識が必要
✅メリット
- 持ち運びができる
- 購入費用が抑えられる
- 非常時の電源として使用できる
ポータブル蓄電池は持ち運びのできる便利な蓄電池ですが、よく検討して購入しなければデメリットが目立ってしまい、うまく活用できないことが多くなる製品です。
✅ポータブル蓄電池を選ぶ時の4つのポイント
- 使用用途を明確にしておく
- 蓄電容量のみではなく重さも考慮する
- 販売元の情報をしっかりリサーチする
- 充電方法の確認をする
事前にどのような目的で使用したいかをはっきりさせ、最適な容量・定格出力のものを購入するようにしましょう。
具体的にどんなポータブル蓄電池がオススメなのか気になる方は、お気軽に当社ENCにご相談いただければと思います。
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